非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、飲酒の習慣がないにも関わらず脂肪肝になってしまう疾患です。
この疾患は、従来は軽く見られていましたが、近年では肝臓がんとの関係が疑われており注目されています。
現在、日本における非アルコール性脂肪肝炎患者は100~200万人いると推定されています。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の症状
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)には、その前段階にあたる非アルコール性肝疾患(NAFLD)がありますが、肝臓は沈黙の臓器とも言われており異常が出ても痛みなどの自覚症状は現れません。
こうした背景から、知らず知らずのうちに非アルコール性肝疾患(NAFLD)から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と病気が進行してしまうことも珍しくありません。
そのため非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が見つかるきっかけは、健康診断で中性脂肪や血糖値・血圧・肝機能などに異常値が見つかったときが多いです。
原因
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は高血糖・脂質代謝異常・高血圧の人ほどかかりやすいと言われています。
下記に該当する方は注意が必要です。
- 空腹時血糖が110mg/dl以上
- 中性脂肪が150mg/dl以上
- 血圧が140/90mm/Hg以上
検査
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断基準は以下の3点になります。
- 非飲酒者であること(アルコール摂取量が1日20g以下)
- 肝臓の生体組織検査にて脂肪性肝炎が確認できること
- 他の原因による肝障害が認められないこと
脂肪肝については腹部超音波検査でもある程度判断ができますので、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の疑いがある場合はまずは超音波検査し、脂肪肝の可能性が高い場合に生体組織検査で診断をします。
治療
生活習慣が原因の疾患ですので、まずは食生活の見直しや定期的な運動、十分な睡眠をとることが大切です。
7%減量に成功すると、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は改善する科学的根拠があります(*1) ので、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取りながら改善を目指していきます。
病状が進行している場合はお薬による治療や、手術が必要になることもあります。
*1:肝炎情報センター